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ブッダに学ぶ 聖者の世界

言葉では表せない、「悟り」の境地とは?

悟った人のみが到達するという「聖(アリヤ)」の境地。ブッダが体現し、初めてこの世に示したこの「聖者の世界」は、俗世間の「ものさし」で測ることができない。本書は、現象への執着によって成り立つ世俗の価値では表現不可能な聖者の心のありかたを、多くの身近なたとえ話、そして原始仏典「スッタニパータ」の平易な解説などによって解き明かす。初期仏教の伝道者、アルボムッレ・スマナサーラ長老が、「すべての矛盾、束縛から解き放たれた世界」に読者を案内する画期的な仏教入門書。

[目次]
はじめに――聖の見方
第1章 聖と俗のボーダーライン――初期経典に学ぶ「聖なる世界」
1 聖と俗を分かつもの――知識から智慧へ
2 俗世間の「知識」を分析する
3 出世間の「智慧」を分析する
4 俗世間の「学び」と仏教の「学び」
5 「根本法門経」が説く聖者の「学び」
6 聖なる世界への入り方
7 聖なる道の歩み方
8 パーリ経典から読み解く「聖なる世界」
Q&A 法話後の参加者との対話から
第2章 聖者の生き方――『スッタニパータ』「牟尼経」を読む
1 「牟尼経」とは
2 聖者には「関係」がない
3 こころに煩悩を栽培しない
4 こころに生じるイベントを管理する
5 一切の「生まれ」に興味を抱かない
6 「すべて」を乗り越えている
7 こころはいつもサマーディ状態
8 怠ることなく独り歩む
9 煩悩を消し去った境地とは
Q&A 法話後の参加者との対話から
第3章 聖者への道――『スッタニパータ』「悪意についての八つの詩句」を読む
1 「悪意についての八つの詩句」とは
2 聖者は議論に参加しない
3 聖者には「好み」がない
4 聖者は自己アピールをしない
5 聖者に一人称はない
6 聖者の安穏は絶対に揺らがない
7 聖者はバイアスを乗り越える
8 聖者のこころは妄想を洗い流す
9 聖者はあらゆる見解を洗い流す
Q&A 法話後の参加者との対話から
祝福の偈

著者 アルボムッレ・スマナサーラ

スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4 月、スリランカ生まれ。13 歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980 年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事し、ブッダの根本の教えを説き続けている。朝日カルチャーセンターの講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」などにも出演。『原訳「法句経」一日一悟』(佼成出版社)、『ブッダ 大人になる道』(筑摩書房)、『やめたいことは、やめられる。』(河出書房新社)、『ブッダに学ぶ ほんとうの禅語』(アルタープレス)、『Freedom from Anger』(英文、WISDOM PUBLICATIONS)など著書多数。

ブッダに学ぶ 聖者の世界

アルボムッレ・スマナサーラ
ISBN 978-4-910080-06-2
本体価格 2200円
仕様 四六判並製
2022年5月25日発売予定